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比較・選定

WordPressチャットボットプラグインおすすめ10製品を比較【2026年版】AI型とシナリオ型の選び方

2026年8月22日ものしりAI編集部

WordPressチャットボットプラグイン10製品を比較 APIキー不要・自社資料対応で選ぶ

WordPress の公式プラグインディレクトリで「chatbot」と検索すると、1,400件以上がヒットします。ところが実際に上位のものを入れてみると、性格がまったく違うことに気づきます。OpenAI の API キーを自分で取得しないと一言も喋らないもの、そもそもボットではなく LINE や WhatsApp へのリンクボタンだったもの、有人チャットが主役で AI はおまけのもの、AI を使わず、あらかじめ作った分岐どおりに答えるシナリオ型のもの。同じ「チャットボット」という言葉で括られているだけで、解決する課題が別物なのです。

この記事では、代表的な 10製品を WordPress.org の公開データにもとづいて比較し、目的別のおすすめを整理します。私たち自身も WordPress.org 公式ディレクトリでチャットボットプラグインを開発・公開している立場なので、審査や実装で分かった「カタログには出てこない違い」も併せて書きます。


この記事で分かること

  • WordPress チャットボットプラグインのタイプの違いと、その見分け方
  • AI 型とシナリオ型(ルールベース)の違いと、どちらを選ぶべきか
  • 主要10製品の設置数・評価・更新状況・仕様の一覧比較
  • 「無料」と書かれていても別途 API 課金や登録が必要になる製品とそうでない製品の違い
  • 日本語対応の実態(画面がすべて日本語になる製品は10製品中いくつか)
  • 目的別に、結局どれを選べばよいかのフローチャート

本記事の数値について: 設置数・評価・レビュー件数・最終更新日・言語パックの有無は、WordPress.org のプラグイン情報 API と translate.wordpress.org から 2026年10月3日に取得した公開データです(初版は2026年8月22日取得)。機能に関する記述は、各製品が WordPress.org の公式ページに記載している内容と、各社の公式料金ページにもとづきます。優劣を断定するものではなく、用途に応じた向き不向きを整理したものです。


1. まず結論:目的別の早見表

やりたいこと 向いているタイプ おすすめの製品
自社の資料・FAQ の内容を AI に答えさせたい AI ナレッジ型 ものしりAI / AI Engine / AI Puffer
登録や API キーなしで、まず自分のサイトで試したい AI ナレッジ型 ものしりAI
AI を細かく作り込みたい・開発者がいる AI フレームワーク型 AI Engine / AI Puffer
人が対応するチャットを置きたい 有人チャット型 tawk.to / 3CX / Crisp / Tidio
有人チャットの負荷を AI で減らしたい 有人チャット+AI 型 Tidio / Crisp(上位プラン)
決まった質問に決まった答えを返したい(AI を使わない) シナリオ型 WPBot(無料版)
LINE や WhatsApp に誘導したいだけ 導線ボタン型 Chaty
WordPress の管理作業を AI に任せたい(訪問者向けではない) 管理用 AI エージェント AI Agent by SiteGround

「AI チャットボットが欲しい」と思っていても、実際の要件が「問い合わせを減らしたい」なのか「リードを取りたい」なのかで、選ぶべきタイプは変わります。

図解: WordPressチャットボット4タイプの分類。AIナレッジ型・有人チャット型・シナリオ型・導線ボタン型


2. AI 型とシナリオ型(AI を使わないルールベース)の違いと選び方

チャットボット選びで最初に迷いやすいのが、AI 型にするかシナリオ型にするかです。どちらも「自動で答えるボット」ですが、作り方も費用のかかり方もまったく違います。

  • シナリオ型(ルールベース): 「料金について」「予約したい」といった選択肢と、その先の回答をあらかじめ作っておき、訪問者にボタンを選んでもらう方式です。AI は使いません。WPBot の無料版の組み込み機能や、Crisp・Tidio のボットビルダー(ノーコードで分岐を組む機能)がこれに当たります
  • AI 型: FAQ やマニュアルなどの資料を読ませておき、訪問者が自由な文章で入力した質問に、資料の内容から文章を組み立てて答える方式です。ものしりAI・AI Engine・AI Puffer・Tidio の Lyro などが当たります
  • 有人チャット: tawk.to や 3CX のように、届いたメッセージに人がリアルタイムで返信します。ボットではないので、対応できる時間と人手がそのまま上限になります
シナリオ型(ルールベース) AI 型
質問の受け方 用意したボタンを選んでもらう 自由な文章で入力してもらう
答えの中身 作ったとおりに一字一句返る 資料をもとに毎回文章を組み立てる
想定外の質問 答えられない(分岐にないため) 資料に書いてあれば答えられる
始めるまでの準備 質問と分岐を設計して入力する 既存の FAQ・マニュアルを入れる
内容が変わったとき 該当するシナリオを探して直す 資料を差し替える
費用 AI の利用料はかからない 回答回数に応じた費用(プラン内または従量)
注意点 分岐が増えるほど設計と保守が重くなる 資料が古い・曖昧だと答えもずれる

シナリオ型が向いているケース

  • 手続きの受付が目的(来店予約、資料請求、見積もり依頼など)。聞く項目が決まっていて、順番に入力してもらえばよい
  • 法令・医療・金融など、答えの文言を一字一句管理したい分野
  • 質問のパターンが十数個程度に収まり、AI の費用をかけたくない

AI 型が向いているケース

  • 質問が多様で、FAQ ページが長くなりすぎている
  • マニュアルや規約などの資料はあるが、分岐を設計する時間がない
  • 訪問者が自分の言葉で聞きたいこと(「この製品は Mac で使える?」など)に答えたい

費用と手間の考え方

シナリオ型は「AI の利用料ゼロ」が魅力ですが、手間は最初の設計と、サービス内容が変わるたびのシナリオ修正に集中します。分岐が数十を超えると、どこを直せばよいか分からなくなりがちです。AI 型は資料を入れるだけで動き始める代わりに、回答回数に応じた費用がかかります。多くの製品に無料枠があるので、まず自分のサイトで実際の質問を集めてから判断するのが確実です。

併用するという選択肢

実務では、どちらか一方に決めずに組み合わせるのが一般的です。たとえばよくある質問は AI 型で一次回答し、予約や見積もりのような決まった手続きはフォームやシナリオへ、AI で解決しない相談は有人チャットや問い合わせフォームへつなぐ形です。ものしりAI は分岐を組むシナリオ機能を持たない AI 型で、よくある質問をボタンで表示する「質問の候補」と、チャット画面に置ける問い合わせ先へのリンクで、こうした使い分けに対応しています。


3. 選ぶときの5つの軸

比較表を見る前に、どこを見ればよいかを決めておきます。この5つで、ほぼ絞り込めます。

軸1: AI の API キーやサービスへの登録が必要か

ここが最初の分かれ道です。AI Engine や AI Puffer は「Bring Your Own API Key(自分の API キーを持ち込む)」方式が基本で、OpenAI や Google の開発者アカウントを作り、クレジットカードを登録し、従量課金を自分で管理します。プラグイン本体は無料でも、AI の利用料は別途 OpenAI などに支払う構造です(AI Puffer は無料クレジット付きの自社クラウド「AI Puffer Cloud」も選べるようになりました)。

Tidio や Crisp のような SaaS 型は API キーが不要な代わりに、そのサービスのアカウント登録が必要です。ものしりAI は 2026年9月のバージョン 1.5.0 から、API キーも会員登録もなしに、ボタン1つで始められるようになりました。

「WordPress は触れるが OpenAI の管理画面は初めて」という運営者には、ここが最大の脱落ポイントになります。

軸2: 自社の資料から答えられるか

汎用 AI に喋らせるだけなら、返ってくるのは一般論です。「うちの返品ポリシー」「この製品の対応 OS」に答えさせるには、自社の文書を AI に読ませる仕組みが要ります。製品によって、読ませられる対象が「サイト内の投稿・固定ページだけ」なのか「PDF などのファイルもアップロードできる」のかが違います。

軸3: 日本語で完結するか

管理画面が英語でも設定はできます。ただし、社内で引き継ぐとき・複数人で運用するときに効いてきます。後述しますが、ここは日本市場でまだ空白に近い領域です。

軸4: 「無料」がどこまでを指すか

無料には3種類あります。①プラグインは無料だが AI 利用料は自己負担(AI Engine / AI Puffer)、②サービスに無料枠がある(Tidio / Crisp / ものしりAI)、③本当に全部無料(tawk.to / 3CX / Chaty / WPBot の無料版)。③は有人対応・リンクボタン・シナリオ型など、AI の推論コストがかからないものに限られます。

軸5: 更新が止まっていないか

WordPress は年に数回メジャー更新があります。最終更新日が1年以上前のプラグインは、新しい WordPress や PHP で不具合が出るリスクがあります。比較表の「最終更新」列は必ず確認してください。


4. 主要10製品の比較表

WordPress.org 公開データ(2026年10月3日取得)です。設置数は WordPress.org の表記に準じた概数です。

プラグイン 有効設置数 評価 レビュー数 最終更新 タイプ
AI Agent by SiteGround 1,000,000+ 1.6 97 2026-09-30 管理用AIエージェント(訪問者向けではない)
Chaty 300,000+ 5.0 1,241 2026-09-29 導線ボタン型
tawk.to Live Chat 100,000+ 4.6 142 2026-01-14 有人チャット型
3CX Free Live Chat 100,000+ 4.6 821 2026-06-29 有人チャット型
AI Engine 90,000+ 4.9 869 2026-10-01 AIフレームワーク型
Tidio 70,000+ 4.7 396 2026-09-01 有人チャット+AI型
Crisp 20,000+ 4.6 73 2025-04-14 有人チャット+シナリオ型(AIは上位プラン)
AI Puffer(旧 AI Power) 10,000+ 4.6 165 2026-10-02 AIフレームワーク型
WPBot 5,000+ 4.7 124 2026-09-30 シナリオ+AI型
ものしりAI 10未満 評価なし 0 2026-09-30 AIナレッジ型

そして、仕様面の比較がこちらです。

プラグイン AIが自社資料から回答 始めるのに必要なもの AI利用料 日本語の公式言語パック
AI Engine 可能(埋め込み等は Pro 版) OpenAI 等の API キー 自己負担(従量) あり(現行文言の約4割)
AI Puffer 可能(投稿・固定ページ・PDF等) API キー、または AI Puffer Cloud への登録 自己負担(従量)/クレジット制 未提供
WPBot 一部(上位版中心) なし(無料版はシナリオで動作) AI を使う場合は自己負担 未提供
Tidio 可能(AI エージェント Lyro) Tidio のアカウント 無料プランは累計50会話まで、以降はプラン内 未提供
Crisp 上位プランで可能 Crisp のアカウント 上位プランに含む(無料プランは AI なし) 未提供
tawk.to ナレッジベース機能あり(有人前提) tawk.to のアカウント 無料 未提供
3CX Free Live Chat 有人対応が中心 3CX のアカウント 無料 過去の版のみ(現行版は未翻訳)
Chaty 該当なし(ボットではない) なし 無料 未提供
AI Agent by SiteGround 該当なし(管理作業用) SiteGround AI Studio への登録 AI Studio の契約に依存 未提供
ものしりAI 可能(投稿・固定ページ+PDF・Word・Excel等) なし(ボタン1つ。会員登録は枠を広げるときだけ) 登録なしで月50回まで無料 あり(全文言を翻訳済み)

日本語対応について: translate.wordpress.org の公式翻訳を2026年10月3日に確認しました。日本語の言語パックがあるのは AI Engine・3CX・ものしりAI の3製品ですが、AI Engine は現行の画面文言946件中338件(約4割)、3CX は2019年の旧版向けの翻訳で、現行版の文言は未翻訳です。すべての文言が翻訳されているのはものしりAI だけでした。


5. 製品別の短評

AI Engine — AI を作り込みたい人の定番

有効設置9万以上・評価4.9(レビュー869件)と、AI 系プラグインでは最も支持を集めている製品です。OpenAI・Anthropic・Google・Mistral など主要プロバイダに接続でき、チャットボットだけでなく記事生成・AI フォーム・MCP 対応まで含む「AI の土台」です。REST エンドポイントや function calling も備え、開発者が拡張する前提の設計になっています。資料からの回答に使う埋め込み(ベクトル検索)やサイト内容を参照する機能は Pro 版の機能です。

向いているケース: 社内に開発者がいて、AI の挙動を自分でコントロールしたい。使うモデルを自分で選びたい。 向かないケース: OpenAI のアカウント開設・従量課金の管理まではやりたくない。

AI Puffer(旧 AI Power) — 自社データ学習を明示している万能型

「Bring Your Own API Key」を公式に掲げ、OpenAI・Gemini・Azure・OpenRouter・DeepSeek・xAI・Ollama に対応。投稿・固定ページ・商品・PDF・ファイルから独自のナレッジベースを構築できると明記しています。現在は、毎月の無料クレジットが付く任意のクラウド「AI Puffer Cloud」も選べるため、API キーを用意せずに試す道もできました。チャットボット以外に AI ライター・画像生成・WooCommerce 向け機能も持つオールインワン型です。

向いているケース: 1つのプラグインで AI 関連を一通り賄いたい。使うモデルを自分で選びたい。 向かないケース: 機能が多すぎて設定に迷いたくない。日本語の画面で運用したい。

WPBot — LLM なしでも動くシナリオ型の代表

「AI LLM サービスの有無にかかわらず動作する」と明記している、ノーコードのネイティブチャットボットです。組み込みの自動応答・リード獲得・情報収集だけなら追加コストなしで運用できるのが特徴で、前述のシナリオ型の代表格です。OpenAI・Gemini・OpenRouter・DialogFlow などを後から繋ぐこともできます。

向いているケース: まずは決まった応答だけ返したい。AI 課金を発生させたくない。 向かないケース: 自由な質問に自社資料で答えさせたい(上位版の機能が中心になります)。

Tidio — 有人チャットと AI の両立

有人のライブチャットが主役で、AI エージェント「Lyro」が問い合わせを自動処理する構成です。ノーコードのボットビルダーでシナリオを組むこともできます。WordPress プラグインは入口で、実体は SaaS です。公式料金ページでは、無料プランの Lyro は累計50会話まで(毎月ではありません)とされています。WordPress.org の説明では、ウィジェットの表示言語は英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語の6言語です。

向いているケース: 人が対応する運用が前提で、その負荷を AI で減らしたい。 向かないケース: 無人で完結させたい。日本語での運用を重視する。

tawk.to — 完全無料の有人チャット

「無制限のメッセージ・チケット・ナレッジベースがすべて100%無料」を掲げる、有人チャットの定番です。500万社以上が利用と記載されています。ただし最終更新が2026年1月で、比較した10製品の中では更新間隔が空いています。

向いているケース: 予算ゼロで、人が対応するチャットを置きたい。 向かないケース: AI に自動応答させたい。

3CX Free Live Chat — 電話・ビデオまで繋がる有人チャット

レビュー821件・評価4.6。チャットから通話やビデオへ引き上げられるほか、WhatsApp・Facebook・SMS のメッセージも同じ画面で受けられます。有人対応が中心になります。

Crisp — 無料枠のあるライブチャット+ボット

ライブチャット・リアルタイム通知・ノーコードのシナリオボット・デスクトップ/モバイルアプリを無料プランに含みます。AI による自動応答は、公式料金ページでは上位の Essentials プラン(月額95ドル)からの提供です。また最終更新が2025年4月と、比較対象の中では最も間隔が空いています。導入前に手元の WordPress バージョンでの動作確認をおすすめします。

Chaty — これはチャットボットではありません

有効設置30万・評価5.0(レビュー1,241件)と数字は際立っていますが、WhatsApp・Facebook Messenger・LINE・Telegram など20以上のチャネルへ誘導するボタンを設置するプラグインです。AI は関与しません。検索で上位に出てくるため混同されやすいので、要件が「AI に答えさせたい」なら対象外になります。

向いているケース: LINE 公式アカウントなど、既存のチャネルへ送客したい。

AI Agent by SiteGround — 訪問者向けではなく、管理作業の AI

有効設置100万以上と本比較で最大ですが、現在の WordPress.org の説明では、サイト運営者が管理画面から投稿の作成・SEO 設定・WooCommerce の注文処理などを AI に頼むためのエージェントです。訪問者の質問に答えるチャットボットではありません。どのホスティングでも使えますが、SiteGround AI Studio への登録が必要です。評価は1.6(レビュー97件)と、設置数と評価が大きく乖離しています。「chatbot」で検索すると上位に出ますが、訪問者対応が目的なら対象外です。

ものしりAI — 会員登録も API キーもなしで、自社の資料に答えさせる

私たちが開発している製品なので、数字は正直に書きます。公開は2026年5月19日、有効設置は10未満、レビューは0件です。設置数・実績では上記の製品に遠く及びません。WordPress.org での掲載名は「無料 AI チャットボット「ものしり AI」– FAQ・お問い合わせを自動応答」(英語名: Free AI Chatbot for Support and FAQ – monoshiri AI)で、プラグインの新規追加画面で「monoshiri AI」と検索すると見つかります。

設計上の違いは、会員登録も API キーもコードのコピーもなしに、自社サイトの内容で答えるチャットボットが置ける点です。2026年9月のバージョン 1.5.0 から、設定画面の「同意して無料で始める」ボタンを押すだけで始められるようになりました。押すと公開中の投稿・固定ページが AI に送られ、あとはセットアップガイド(始める → サイトのコンテンツ → その他の資料 → 表示 → 試す)に沿って順に設定します。PDF・Word・Excel などのファイルのアップロードや、営業時間のような短い情報の直接入力も WordPress の管理画面から行えます。投稿を公開・更新すると、約30秒後に自動で AI に反映されます(自動同期。登録なしで始めたサイトでは既定でオン)。

無料枠は、会員登録なしで月50回まで。「会員登録して枠を広げる」から登録すると、無料プランと同じ月150回に増え、チャットボット・コンテンツ・会話ログはそのまま引き継がれます。有料プラン(月額2,980円・1,000回から)は登録後に選べます。無料の間に登録できる文書は30件までです。すでにものしりAI のアカウントを持っている場合は「ログイン」から接続します。会員登録なしで使う場合の条件は WordPress プラグイン利用特約 にまとめています。

画面は translate.wordpress.org の公式翻訳で、すべての文言が日本語になります。

向いているケース: OpenAI のアカウントも会員登録も後回しにして、まず自分のサイトで試したい。自社資料に答えさせたい。日本語で運用したい。 向かないケース: 実績・レビュー数を重視する。シナリオ(分岐)を作り込みたい。AI の挙動を細かく作り込みたい。


6. 「API キー方式」と「アカウント接続方式」は、コストの出方が違う

同じ「無料プラグイン」でも、お金の出方がまったく違います。ここを理解しておくと選定を間違えません。

図解: APIキー方式(従量課金)とアカウント接続方式(定額)のコスト構造の対比

実際の管理画面で見ると違いは一目です。上が API キー方式(AI Engine)、下が接続方式(ものしりAI)にあたる画面です。

AI Engine の管理画面。プロバイダー欄に OpenAI が「No API key yet」と表示され、AI を動かすには自分で API キーを登録する必要があることが分かる。WordPress 本体は日本語だが、プラグインの画面は英語のまま

AI Engine では、まず OpenAI などの API キーを登録しないと AI が動きません。あわせて、WordPress 本体を日本語にしていてもプラグインの画面の多くは英語のままであることも分かります(比較表で触れた「日本語の言語パックはあるが、翻訳は現行文言の約4割」という状態です)。

スクリーンショット: ものしりAI(1.5.x)のセットアップガイド最初の画面。送信される内容(サイトのアドレス、公開中の投稿・固定ページの本文など)と規約へのリンクが日本語で表示され、「同意して無料で始める」ボタンと、既存アカウント向けの「ログイン」が並ぶ

一方の接続方式では、API キーの入力欄そのものがありません。ものしりAI の場合は、何が送信されるかを確認して「同意して無料で始める」を押すだけで、会員登録もせずに設定が始まります。

API キー方式(AI Engine / AI Puffer)

  • プラグイン: 無料
  • AI 利用料: OpenAI などに従量で直接支払う
  • 特徴: 使わなければ限りなく安い。ただしアクセスが急増すると請求も比例して増えるため、上限設定の管理が必要

アカウント接続方式(Tidio / Crisp / ものしりAI など)

  • プラグイン: 無料
  • AI 利用料: サービスのプラン内(回数上限つき)
  • 特徴: 月額が読める。上限を超えたら止まるか、上位プランへ移る。ものしりAI はアカウントを作る前から無料枠で動かせる

小規模サイトで「予想外の請求だけは避けたい」なら後者、トラフィックが読めていて単価を最適化したいなら前者、という整理になります。

参考までに、ものしりAI の場合は会員登録なしで月50回、会員登録すると無料プランの月150回まで回答します。有料は月額2,980円(1,000回)からで、ユーザー数は無制限です。詳しくは料金プランをご覧ください。


7. 日本語対応は、まだ空白に近い

今回調べて意外だったのがここです。比較した10製品のうち、WordPress.org の公式言語パックで日本語が用意されているのは3製品だけで、画面がすべて日本語になるのはそのうち1製品でした。

有効設置10万〜100万を持つ製品が並ぶ市場で、日本語 UI・日本語ドキュメントはまだ標準になっていないということです。英語の管理画面でも設定自体は可能ですが、次のような場面で差が出ます。

  • 設定を他の担当者に引き継ぐとき
  • 制作会社がクライアントに納品して運用してもらうとき
  • トラブル時に日本語で調べたいとき

日本語での運用を重視するなら、UI とドキュメントが日本語かどうかを選定条件に入れる価値があります。


8. 選び方フローチャート

  1. 訪問者の質問に自動で答えさせたいか?
    • いいえ、人が対応する → tawk.to(無料重視)/ 3CX / Tidio / Crisp
    • いいえ、LINE 等に送客したいだけ → Chaty
    • いいえ、WordPress の管理作業を AI に任せたい → AI Agent by SiteGround
    • はい → 2 へ
  2. 質問のパターンが決まっていて、答えを一字一句管理したいか?
    • はい(予約・資料請求の受付など) → シナリオ型: WPBot(無料版)、または Tidio / Crisp のボットビルダー
    • いいえ、自社の資料・FAQ の内容に自由に答えさせたい → 3 へ
  3. OpenAI 等の API キーを自分で用意・管理できるか?
    • できる/したい → AI Engine(作り込み重視)/ AI Puffer(オールインワン重視)
    • 用意したくない → 4 へ
  4. 有人チャットと一体で運用したいか?
    • はい → Tidio(Lyro)/ Crisp(上位プラン)
    • いいえ、登録なしでまず試したい・日本語の画面で運用したい → ものしりAI

まとめ

  • WordPress のチャットボットプラグインは、AIナレッジ型 / AIフレームワーク型 / 有人チャット型 / シナリオ型 / 導線ボタン型に分かれる。「chatbot」で検索して出てくる製品には、訪問者向けではない管理用 AI も混ざっている
  • AI 型とシナリオ型は、作り方も費用も別物。決まった手続きはシナリオ型、多様な質問に資料で答えるなら AI 型。併用も一般的
  • 最大の分岐点は「AI の API キーや登録を自分で用意するか」。ここで候補が半分に絞れる
  • 「無料」は3種類ある。プラグインが無料でも AI 利用料が別途かかる製品がある
  • 最終更新日を必ず確認する。1年以上更新のない製品は動作確認が必要
  • 画面がすべて日本語になる製品はまだ少ない。日本語運用を重視するなら選定条件に入れる価値がある

私たちが開発する「ものしりAI」は、会員登録も API キーもなしに、自社資料から答えるチャットボットを日本語のまま設置できることを狙った製品です。WordPress.org から無料でインストールし、「同意して無料で始める」を押せば月50回まで無料で使え、会員登録すると月150回に広がります。設置の詳細はWordPress に AI チャットボットを設置する方法にまとめています。

「そもそも無料でどこまでできるのか」を先に知りたい方は、WordPressにチャットボットを無料で入れる方法|3つの手段を比較もあわせてご覧ください。

よくある質問

WordPress のチャットボットは無料で使えますか?

使えます。ただし「無料」の意味は製品によって違います。tawk.to や 3CX Free Live Chat のようにサービス自体が無料のもの、AI Engine のようにプラグインは無料でも OpenAI などの API 利用料が別途かかるもの、Tidio やものしりAI のように無料枠を超えると有料になるものがあります。ものしりAI は会員登録なしで月50回まで、会員登録すると月150回まで無料で回答します。無料で始めたい場合は、どのタイプに当たるかを先に確認してください。

AI型とシナリオ型のチャットボットは、どちらを選べばよいですか?

質問のパターンが少なく、答えを一字一句管理したい(予約や資料請求の受付など)ならシナリオ型、質問が多様で、FAQ やマニュアルの内容に自由な文章で答えさせたいなら AI 型が向いています。シナリオ型は AI の利用料がかからない代わりに分岐を作る手間がかかり、AI 型は資料を入れるだけで始められる代わりに回答回数に応じた費用がかかります。AI 型で一次回答し、決まった手続きはフォームや有人対応へつなぐ併用も一般的です。

WordPress にチャットボットを設置するのにコードの編集は必要ですか?

多くのプラグインでは不要です。WordPress 管理画面の「プラグイン → 新規追加」からインストールして有効化すれば設置が完了します。外部サービスの埋め込みコードを使う場合も、テーマの PHP ファイルを直接編集する必要はなく、管理画面のウィジェットやプラグインの設定画面から貼り付けられます。

無料のプラグインで、自社の資料や FAQ をもとに回答させられますか?

できます。比較した10製品のうち、AI Engine・AI Puffer・Tidio(AI エージェント Lyro)・Crisp(上位プラン)・ものしりAI が自社資料からの回答に対応しています。ただし読み込める対象と費用のかかり方は製品ごとに異なり、投稿・固定ページだけのものと、PDF や Word などのファイルも扱えるものがあります。

OpenAI などの API キーは必ず必要ですか?

製品によります。AI Engine は自分で OpenAI などの API キーを用意する必要があり、AI の利用料は使った分だけ自己負担になります。AI Puffer も API キー持ち込みが基本ですが、無料クレジット付きの AI Puffer Cloud を選ぶこともできます。Tidio・Crisp はサービスへの登録が必要で、AI の費用はプランに含まれます。ものしりAI は API キーも会員登録も不要で、「同意して無料で始める」ボタン1つで始められます。WPBot は API キー無しでもシナリオとして動作します。

日本語に対応した WordPress チャットボットプラグインはありますか?

2026年10月時点で、比較した10製品のうち WordPress.org の公式翻訳(言語パック)で日本語が用意されているのは AI Engine・3CX Free Live Chat・ものしりAI の3製品です。ただし AI Engine は現行の画面文言の約4割、3CX は過去の版向けの翻訳で、画面の大半は英語のままです。すべての画面文言が日本語に翻訳されているのはものしりAI だけでした。

WordPress.com でもチャットボットプラグインは使えますか?

プランによります。WordPress.com の無料プラン・パーソナルプランではプラグインのインストールや JavaScript の設置が制限されるため使えません。Business プラン以上、または自分のサーバーやレンタルサーバーに設置した WordPress.org 版であれば利用できます。

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