ものしりAI
比較・選定

WordPressチャットボットプラグイン10製品を比較【2026年版】|APIキー不要で選ぶ

2026年8月22日ものしりAI編集部

WordPressチャットボットプラグイン10製品を比較 APIキー不要・自社資料対応で選ぶ

WordPress の公式プラグインディレクトリで「chatbot」と検索すると、1,200件以上がヒットします。ところが実際に上位のものを入れてみると、性格がまったく違うことに気づきます。OpenAI の API キーを自分で取得しないと一言も喋らないものそもそもボットではなく LINE や WhatsApp へのリンクボタンだったもの有人チャットが主役で AI はおまけのもの。同じ「チャットボット」という言葉で括られているだけで、解決する課題が別物なのです。

この記事では、代表的な 10製品を WordPress.org の公開データにもとづいて比較します。私たち自身も WordPress.org 公式ディレクトリでチャットボットプラグインを開発・公開している立場なので、審査や実装で分かった「カタログには出てこない違い」も併せて書きます。


この記事で分かること

  • WordPress チャットボットプラグインは4タイプに分かれること、その見分け方
  • 主要10製品の設置数・評価・更新状況・仕様の一覧比較
  • 「無料」と書かれていても別途 API 課金が必要になる製品とそうでない製品の違い
  • 日本語対応の実態(公式翻訳が提供されている製品は10製品中いくつか
  • 目的別に、結局どれを選べばよいかのフローチャート

本記事の数値について: 設置数・評価・レビュー件数・最終更新日は、WordPress.org のプラグイン情報 API から 2026年8月22日に取得した公開データです。機能に関する記述は、各製品が WordPress.org の公式ページに記載している内容にもとづきます。優劣を断定するものではなく、用途に応じた向き不向きを整理したものです。


1. まず結論:目的別の早見表

やりたいこと 向いているタイプ 該当製品
自社の資料・FAQ の内容を AI に答えさせたい AI ナレッジ型 ものしりAI Widget / AI Engine / AI Puffer
AI を細かく作り込みたい・開発者がいる AI フレームワーク型 AI Engine / AI Puffer
人が対応するチャットを置きたい 有人チャット型 tawk.to / 3CX / Crisp / Tidio
決まった質問に決まった答えを返したい シナリオ型 WPBot
LINE や WhatsApp に誘導したいだけ 導線ボタン型 Chaty

「AI チャットボットが欲しい」と思っていても、実際の要件が「問い合わせを減らしたい」なのか「リードを取りたい」なのかで、選ぶべきタイプは変わります。

図解: WordPressチャットボット4タイプの分類。AIナレッジ型・有人チャット型・シナリオ型・導線ボタン型


2. 選ぶときの5つの軸

比較表を見る前に、どこを見ればよいかを決めておきます。この5つで、ほぼ絞り込めます。

軸1: AI の API キーを自分で用意する必要があるか

ここが最初の分かれ道です。AI Engine や AI Puffer は「Bring Your Own API Key(自分の API キーを持ち込む)」方式で、OpenAI や Google の開発者アカウントを作り、クレジットカードを登録し、従量課金を自分で管理します。プラグイン本体は無料でも、AI の利用料は別途 OpenAI などに支払う構造です。

自由度は高い一方、「WordPress は触れるが OpenAI の管理画面は初めて」という運営者には、ここが最大の脱落ポイントになります。

軸2: 自社の資料から答えられるか

汎用 AI に喋らせるだけなら、返ってくるのは一般論です。「うちの返品ポリシー」「この製品の対応 OS」に答えさせるには、自社の文書を AI に読ませる仕組みが要ります。製品によって、読ませられる対象が「サイト内の投稿・固定ページだけ」なのか「PDF などのファイルもアップロードできる」のかが違います。

軸3: 日本語で完結するか

管理画面が英語でも設定はできます。ただし、社内で引き継ぐとき・複数人で運用するときに効いてきます。後述しますが、ここは日本市場でほぼ空白地帯です。

軸4: 「無料」がどこまでを指すか

無料には3種類あります。①プラグインは無料だが AI 利用料は自己負担(AI Engine / AI Puffer)、②サービスに無料プランがある(Tidio / Crisp / ものしりAI)、③本当に全部無料(tawk.to / Chaty)。③は有人対応やリンクボタンなど、AI の推論コストがかからないものに限られます。

軸5: 更新が止まっていないか

WordPress は年に数回メジャー更新があります。最終更新日が1年以上前のプラグインは、新しい WordPress や PHP で不具合が出るリスクがあります。比較表の「最終更新」列は必ず確認してください。


3. 主要10製品の比較表

WordPress.org 公開データ(2026年8月22日取得)です。設置数は WordPress.org の表記に準じた概数です。

プラグイン 有効設置数 評価 レビュー数 最終更新 タイプ
AI Agent by SiteGround 1,000,000+ 1.5 88 2026-08-20 AIナレッジ型(ホスト同梱)
Chaty 300,000+ 5.0 1,240 2026-08-13 導線ボタン型
tawk.to Live Chat 100,000+ 4.6 142 2026-01-14 有人チャット型
3CX Free Live Chat 100,000+ 4.6 821 2026-06-29 有人チャット型
AI Engine 100,000+ 4.9 860 2026-08-20 AIフレームワーク型
Tidio 70,000+ 4.7 396 2026-06-16 有人チャット+AI型
Crisp 20,000+ 4.6 73 2025-04-14 有人チャット+AI型
AI Puffer(旧 AI Power) 10,000+ 4.6 165 2026-08-21 AIフレームワーク型
WPBot 5,000+ 4.7 122 2026-08-19 シナリオ+AI型
ものしりAI Widget 10未満 評価なし 0 2026-08-16 AIナレッジ型

そして、仕様面の比較がこちらです。

プラグイン AIが自社資料から回答 AIのAPIキー AI利用料 日本語の公式言語パック
AI Engine 可能 自分で用意 自己負担(従量) 未提供
AI Puffer 可能(投稿・固定ページ・PDF等) 自分で用意 自己負担(従量) 未提供
WPBot 一部(上位版中心) 任意(無しでも動作) 使う場合は自己負担 未提供
Tidio 可能(AI機能 Lyro) 不要 プラン内 未提供
Crisp 可能 不要 プラン内 未提供
tawk.to ナレッジベース機能あり(有人前提) 不要 無料 未提供
3CX Free Live Chat 有人対応が中心 不要 無料 未提供
Chaty 該当なし(ボットではない) 不要 無料 未提供
AI Agent by SiteGround 可能 不要(ホスト提供) ホスト契約に依存 未提供
ものしりAI Widget 可能(アップロード資料+投稿・固定ページ) 不要 無料プランあり 日本語UIを同梱

日本語対応について: WordPress.org の公式翻訳(言語パック)は、上記10製品のいずれも日本語が提供されていません(2026年8月22日時点、API の language_packs で確認)。ものしりAI Widget は公式言語パックではなく、プラグイン本体に日本語の翻訳ファイルを同梱する形で日本語 UI を提供しています。


4. 製品別の短評

AI Engine — AI を作り込みたい人の定番

有効設置10万以上・評価4.9(レビュー860件)と、AI 系プラグインでは最も支持を集めている製品です。OpenAI・Anthropic・Google・Mistral など主要プロバイダに接続でき、チャットボットだけでなく記事生成・AI フォーム・MCP 対応まで含む「AI の土台」です。REST エンドポイントや function calling も備え、開発者が拡張する前提の設計になっています。

向いているケース: 社内に開発者がいて、AI の挙動を自分でコントロールしたい。使うモデルを自分で選びたい。 向かないケース: OpenAI のアカウント開設・従量課金の管理まではやりたくない。

AI Puffer(旧 AI Power) — 自社データ学習を明示している万能型

「Bring Your Own API Key」を公式に掲げ、OpenAI・Gemini・Azure・OpenRouter・DeepSeek・xAI・Ollama に対応。投稿・固定ページ・商品・PDF・ファイルから独自のナレッジベースを構築できると明記しています。チャットボット以外に AI ライター・画像生成・WooCommerce 向け機能も持つオールインワン型です。

向いているケース: 1つのプラグインで AI 関連を一通り賄いたい。使うモデルを自分で選びたい。 向かないケース: API キーの管理を避けたい。機能が多すぎて設定に迷いたくない。

WPBot — LLM なしでも動く数少ない選択肢

「AI LLM サービスの有無にかかわらず動作する」と明記している、ノーコードのネイティブチャットボットです。組み込みの自動応答・リード獲得・情報収集だけなら追加コストなしで運用できるのが特徴。OpenAI・Gemini・OpenRouter・DialogFlow を後から繋ぐこともできます。

向いているケース: まずは決まった応答だけ返したい。AI 課金を発生させたくない。 向かないケース: 自由な質問に自社資料で答えさせたい(上位版の機能が中心になります)。

Tidio — 有人チャットと AI の両立

有人のライブチャットが主役で、AI エージェント「Lyro」が問い合わせを自動処理する構成です。WordPress プラグインは入口で、実体は SaaS です。

向いているケース: 人が対応する運用が前提で、その負荷を AI で減らしたい。 向かないケース: 無人で完結させたい。国内向けの日本語サポートを重視する。

tawk.to — 完全無料の有人チャット

「無制限のメッセージ・チケット・ナレッジベースがすべて100%無料」を掲げる、有人チャットの定番です。500万社以上が利用と記載されています。ただし最終更新が2026年1月で、比較した10製品の中では更新間隔が空いています。

向いているケース: 予算ゼロで、人が対応するチャットを置きたい。 向かないケース: AI に自動応答させたい。

3CX Free Live Chat — 電話・ビデオまで繋がる有人チャット

レビュー821件・評価4.6。チャットから通話やビデオへ引き上げられるのが特徴です。有人対応が中心になります。

Crisp — 無料枠のあるライブチャット+ボット

ライブチャット・リアルタイム通知・チャットボット・デスクトップ/モバイルアプリを無料プランに含みます。ただし最終更新が2025年4月と、比較対象の中では最も間隔が空いています。導入前に手元の WordPress バージョンでの動作確認をおすすめします。

Chaty — これはチャットボットではありません

有効設置30万・評価5.0(レビュー1,240件)と数字は際立っていますが、WhatsApp・Facebook Messenger・LINE・Telegram など20以上のチャネルへ誘導するボタンを設置するプラグインです。AI は関与しません。検索で上位に出てくるため混同されやすいので、要件が「AI に答えさせたい」なら対象外になります。

向いているケース: LINE 公式アカウントなど、既存のチャネルへ送客したい。

AI Agent by SiteGround — ホスト同梱で設置数は最大

有効設置100万以上と本比較で最大ですが、これはホスティング事業者が提供する形での配布によるものです。評価は1.5(レビュー88件)と、設置数と評価が大きく乖離しています。SiteGround を利用している場合は選択肢に入りますが、他社ホスティングでの利用は前提が異なります。

ものしりAI Widget — API キーなしで自社資料に答えさせる

私たちが開発している製品なので、数字は正直に書きます。公開は2026年5月19日、有効設置は10未満、レビューは0件です。設置数・実績では上記の製品に遠く及びません。

そのうえで設計上の違いを挙げると、AI の API キーを一切用意せずに、自社の資料から答えるチャットボットが置ける点です。ものしりAI 側に FAQ やマニュアルをアップロードし、WordPress の管理画面からボタン1つで接続すると設定が完了します。WordPress の投稿・固定ページを AI の知識源として選ぶこともできます。管理画面とドキュメントは日本語です。

向いているケース: OpenAI のアカウントは作りたくない。自社資料に答えさせたい。日本語で運用したい。 向かないケース: 実績・レビュー数を重視する。AI の挙動を細かく作り込みたい。


5. 「API キー方式」と「アカウント接続方式」は、コストの出方が違う

同じ「無料プラグイン」でも、お金の出方がまったく違います。ここを理解しておくと選定を間違えません。

図解: APIキー方式(従量課金)とアカウント接続方式(定額)のコスト構造の対比

API キー方式(AI Engine / AI Puffer)

  • プラグイン: 無料
  • AI 利用料: OpenAI などに従量で直接支払う
  • 特徴: 使わなければ限りなく安い。ただしアクセスが急増すると請求も比例して増えるため、上限設定の管理が必要

アカウント接続方式(Tidio / Crisp / ものしりAI など)

  • プラグイン: 無料
  • AI 利用料: サービスのプラン内(回数上限つき)
  • 特徴: 月額が読める。上限を超えたら止まるか、上位プランへ移る

小規模サイトで「予想外の請求だけは避けたい」なら後者、トラフィックが読めていて単価を最適化したいなら前者、という整理になります。

参考までに、ものしりAI の場合は無料プランが月150回の回答、有料は月額2,980円(1,000回)からで、ユーザー数は無制限です。


6. 日本語対応は、まだほぼ空白地帯

今回調べて意外だったのがここです。比較した10製品すべてで、WordPress.org の公式言語パックに日本語が存在しませんでした。

有効設置10万〜100万を持つ製品が並ぶ市場で、日本語 UI・日本語ドキュメントはまだ標準になっていないということです。英語の管理画面でも設定自体は可能ですが、次のような場面で差が出ます。

  • 設定を他の担当者に引き継ぐとき
  • 制作会社がクライアントに納品して運用してもらうとき
  • トラブル時に日本語で調べたいとき

日本語での運用を重視するなら、UI とドキュメントが日本語かどうかを選定条件に入れる価値があります。


7. 選び方フローチャート

  1. AI に答えさせたいか?
    • いいえ、人が対応する → tawk.to(無料重視)/ 3CX / Tidio / Crisp
    • いいえ、LINE 等に送客したいだけ → Chaty
    • はい → 2 へ
  2. 自社の資料・FAQ の内容に答えさせたいか?
    • いいえ、決まった応答でよい → WPBot
    • はい → 3 へ
  3. OpenAI 等の API キーを自分で用意・管理できるか?
    • できる/したい → AI Engine(作り込み重視)/ AI Puffer(オールインワン重視)
    • 用意したくない → 4 へ
  4. 日本語 UI で運用したいか?
    • はい → ものしりAI Widget
    • どちらでもよい → Tidio / Crisp も候補

まとめ

  • WordPress のチャットボットプラグインは、AIナレッジ型 / AIフレームワーク型 / 有人チャット型 / シナリオ型 / 導線ボタン型に分かれる。まず自分の要件がどれかを決める
  • 最大の分岐点は「AI の API キーを自分で用意するか」。ここで候補が半分に絞れる
  • 「無料」は3種類ある。プラグインが無料でも AI 利用料が別途かかる製品がある
  • 最終更新日を必ず確認する。1年以上更新のない製品は動作確認が必要
  • 日本語の公式言語パックは10製品すべてで未提供。日本語運用を重視するなら選定条件に入れる価値がある

私たちが開発する「ものしりAI Widget」は、API キーを用意せずに自社資料から答えるチャットボットを、日本語のまま設置できることを狙った製品です。WordPress.org から無料でインストールでき、ものしりAI にも無料プランがあります。設置手順はWordPress に AI チャットボットを設置する方法にまとめています。

「そもそも無料でどこまでできるのか」を先に知りたい方は、WordPressにチャットボットを無料で入れる方法|3つの手段を比較もあわせてご覧ください。

この記事をシェア

関連記事

ものしりAIを無料で試してみませんか?

ドキュメントをアップロードするだけで、AIに質問できる環境が作れます。ユーザー数無制限の無料プランで、まずはお試しください。

クレジットカード不要 / 最短1分で利用開始